取扱製品PRODUCTS

電気自動車 ELECTRIC CAR

技術革新が進む分野にも
しっかり対応のラインナップ

近年、二酸化炭素排出量削減などのため、電気自動車の普及や技術革新が進んでいます。
当社では、電気自動車向けの高性能な各種ワイヤーハーネスやエナメル線等を取り扱っています。
また、軽量化や高電圧対応などの需要にも応えられるよう随時ラインナップを更新しています。
このページでは電気自動車向け取扱製品や基礎知識を紹介しています。

主な取扱製品

自動車用低圧電線AV・AVS・AVSS

自動車用低圧電線AV・AVS・AVSS
  • AV
    特長
    • 主に自動車の低圧回路に使用されます。
    • AVは自動車に使用するビニル絶縁低圧電線です。
  • AVS
    特長
    • AVSは自動車の低圧回路に使用するビニル絶縁低圧電線で、外径を細くした電線です。
    • Aは自動車用低圧電線、Vはビニル、Sは薄肉を意味します。
    • 薄肉タイプのAV線で、電気的性能はAVと同等です。
  • AVSS
    特長
    • AVSよりさらに薄肉化・細径化しています。
    • Aは自動車用低圧電線、Vはビニル、SSは極薄肉絶縁体を意味します。
    • AVSSは、AVSの絶縁体をさらに薄くしたタイプで、性能はAVSと同等です。
    • ワイヤーハーネスの軽量化・細径化に大きな効果が得られます。
    • 用途は自動車用(4輪、2輪)、建機、農機および船外機のワイヤーハーネス、自動車電装品の口出し線および配線などです。
分類 耐熱区分 導体 概要
一般電線 Class A(-40~85℃) CIVUS 導体に圧縮導体を使用した細径、軽量電線(ISO6722準拠電線)
80℃ AVSS AVの極薄肉タイプ
AVSSC(f-type) AVSSのフレキシブルタイプ
AVSSB(f-type) AVSSのフレキシブルタイプ
TVSS AVSSのすずめっき導体タイプ
TVSSC TVSSのフレキシブルタイプ
AVS AVの薄肉タイプ
CPAVS(f-type) AVSのフレキシブルタイプ
AV 自動車用電線基本形
CAVUS 導体に圧縮導体を使用した細径、軽量電線
EB バッテリー用低圧回路の電線(接地(一側)専用)
HDEB EBの厚肉型で機械的強度を向上

ビーメックス・イラックス電線

ビーメックス・イラックス電線
特長
  • 導体にポリエチレンまたは塩化ビニルをベースに被覆し、電子ビーム中を通して架橋(結合)させた電線です。
  • 架橋により、優れた耐熱性(連続使用、短時間耐熱)、耐薬品性(酸、塩基、溶剤、油)、機械特性(耐カットスルー、摩耗性)を備えます。
  • 電気・電子機器のモータ部、センサー部、電源部等の内部配線に多く使用されます。
製品品番 構造 特長
ER470 絶縁体:耐熱難燃型架橋ポリエチレン
導体:すずメッキ軟銅線
  • 難燃性に優れ、ULの垂直難燃試験(VW-1)や、電気用品安全法のTV内配線などに要求される垂直難燃性試験に合格します。
  • 耐熱125℃を有し、自動車用途においても細径耐熱電線として多用されています。
  • 特定臭素系難燃剤(PBB、PBDE)を使用していません。
ER500
  • 従来の架橋ポリエチレンの耐熱レベルをさらに向上させています。
  • UL AWM 150℃に認定された耐熱材料です(電気用品機内配線用の登録値は135℃)。
  • 難燃性は、JIS C3005の難燃性試験に合格します。
  • 優れた高耐熱・高難燃性、耐ワニス性、低温特性
  • 特定臭素系難燃剤(PBB、PBDE)を使用していません。

平角線・HV平角線(HVW)

特長
  • 可とう性に優れています。
  • 高い絶縁特性を持ち、高電圧駆動用途に適用できます。また、相間絶縁紙が省略でき工程の省略や機器の小型化に貢献します。
  • 高占積率が可能な平角形状のため、高効率化、軽量化が可能です。
  • 高耐熱のエナメル層を有することにより、耐熱性・信頼性に優れています。
  • 角R部へも均一な皮膜を形成しており、絶縁特性が良好です。
  • 丸エナメル線を使用する場合に比べて、大幅な占積率向上が図れます。
  • HV平角線(HVW)やリボン線はコイルの小型化・高占積率を実現します。HV平角線(HVW)はHV用駆動モータに、リボン線はスマートフォンのインダクターに最適です。

電気自動車の概要

電気自動車や電気自動車向けワイヤーハーネスとエナメル線の概要を紹介しています。

電気自動車

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近年、二酸化炭素排出量削減のため電気自動車(EV車)やハイブリッド車(HV車)など自動車の電動化が進んでいます。特に欧州フランスでは2040年までに国内のガソリン車とディーゼル車の販売を禁止にする方針を明らかにするなど、電動化の波が間近に迫ってきています。

EV/HV車のメリット
  • 1. 環境にやさしい
  • 2. 低燃費化によるランニングコストの低減
  • 3. 静寂性がある
  • 4. 維持費用が安い
用語解説

EV(Electric Vehicle)車:電気自動車を指します。バッテリーに充電した電気でモータを動かし、車輪を駆動します。バッテリーとモータだけで動くためエンジンは搭載していません。
HV(Hybrid Vehicle)車:エンジンや電気モータなど、異なる複数の動力源を搭載した自動車を指します。走行時にはエンジン動力を使用し、モータは補助的な位置づけで使用されることが多く見られます。

ワイヤーハーネス

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自動車は安全性や機能性を確保するため、数多くの電気・電子機器を搭載しています。電線の束であるワイヤーハーネス(自動車用組電線)は、機器同士をつなぎ、電力の供給や信号・情報の伝送を行います。そのため、自動車の血管や神経に例えられることもある重要な部品です。簡略化してハーネスと呼称されるほか、配線やケーブル、電線、束線、コネクタ配線、ケーブルハーネスなど慣用的に呼称されることもあります。

現在のワイヤーハーネスの市場規模は世界全体で5兆7000億円程度です。機能拡充に伴う電装品の増大や、近年の電気自動車の技術進歩により、今後はさらに拡大することが見込まれています。特にモータを動力とする電気自動車ではバッテリーからモータなどに高い電圧を安全・確実に供給する高電圧ワイヤーハーネスが必要となります。

また、自動車の燃費向上のため、あらゆる箇所で使用されるワイヤーハーネスには常に軽量化が求められ、アルミハーネスなどの技術開発が進められています。ワイヤーハーネスの国内大手製造メーカーには矢崎総業、住友電気工業、古河電気工業、フジクラ、ASTIなどがあります。

求められる特徴
  • 耐燃焼性
  • 耐熱性
  • 柔軟性
  • 耐油性
  • 環境対策
  • シールド
ワイヤーハーネスの現状と課題
  • アルミハーネス

    ワイヤーハーネスは燃費向上のため、軽量化が求められます。そこで新技術として注目されているのが銅電線の代わりにアルミ電線を使用するアルミハーネスです。銅に比べてアルミは軽量ながら、導電率と引っ張り破壊強さの低さや電食腐食の起こりやすさ、絶縁性酸性被膜形成による加工性への改善が課題です。
    導電率や引っ張り破壊強さの低さの問題は、アルミに鉄やマグネシウムなどの元素を添加し、合金化することで物性の改善が進められています。電食腐食に関しては、アルミ電線が外部と接触し露出している部分にモールド保護を行うことで水分との接触を防ぐ技術が開発されています。絶縁性酸性被膜形成による加工性の低さについては、アルミ電線と接触する圧着端子表面に小さな溝や突起を付けることによって、圧着時に酸化被膜を破壊する技術が開発されています。

  • 高電圧ハーネス

    電気自動車が普及し、高電圧ハーネスシステムの開発が進んでいます。しかしモータ駆動に必要な大きな電流を流すと大きな電磁波が発生します。この電磁波が周辺の電子機器や計器に悪影響を及ぼします。そのため、遮蔽シールドによる電磁波遮蔽が有効とされています。電磁波遮蔽効果だけではなく、耐熱性に優れるハーネスや高電圧電線に対応したコネクタも開発されています。

    高電圧ハーネス
  • ワイヤレス化

    軽量化のため、ワイヤーハーネスの部分的なワイヤレス化への期待が高まっています。ワイヤーハーネスが持つ機能をワイヤレスセンサネットワーク(WSN)に代替する研究が進められていますが、多重波伝送によるフェージング(受信電力の変動)やプロトコルの問題など解決すべき課題が多いのが現状です。

電気自動車エナメル線

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電気自動車の分野では、モータやモータの出力を調整するインバータの材料にエナメル線が使われています。特にモータでは小型化や高出力化、信頼性向上が求められており、同時に耐サージ性や耐熱性、高占積率を持つエナメル線のニーズも高まっています。

主な用途(次世代自動車)
  • バッテリー
  • DC/CAコンバータ
  • インバーター
  • モータ
  • ハイブリット車用駆動モータ
  • オルタネータ
  • スタータ
  • 電動コンプレッサー用モータ
  • イグニッションコイル
主な用途(次世代自動車)
  • 高占積率
  • 摩耗強度
  • 潤滑性
  • 耐傷性
  • 高い絶縁特性